2007年03月02日

IT産業における女性管理職:Female Managers in Japanese ICT industry

IT産業における女性管理職



守屋 朋子

(株)SSL パワードサービス*1,Japan
*1:富士通の孫会社


企業における女性管理職の実態は把握されていない

私が現在、知りたいことは、「IT産業における管理職に占める女性管理職の比率はいくらか、それは他の業界に比べてどうなのか」ということである。 その数字がないことには、IT企業で働く女性の登用について、現状がどれくらい悪いのか、前よりは良くなっているのかなど、定量的に判断することができない。 また、現状を打開する対策も立てようがない。 しかし、この統計数値は現在どこにも公表されていない。
そもそも、IT産業の女性管理職比率を論ずる前に、他の産業における女性管理職比率も不明である。 建築、土木、金属、電気、食品などの各産業で、女性の昇進状況はどうなっているのだろうか。 理系女性を増やそう、という掛け声が、研究者だけでなく、各産業で働く女性技術者も対象とするものであるならば、その実態をまず把握すべきではないか。

女性も決定権を持つ側に進出を

私が所属する、いわゆる理系といわれる産業で、女性が活躍していくためにも、女性技術者の統計を公表してほしい、と今まで訴えてきた。 最近ようやく女性技術者についてのデータが公表されるようになってきた。 その数字をみると、女性の各分野への進出は、少しずつではあるが、進んできていることがみてとれる。 しかし、この歩みは、諸外国に比べると遅々とした歩みといわざるをえない。
やはり、女性が決定権を持つ側に立たない限り、事態はあまり改善されそうもない。 また、企業の経営にダイバーシティの考え方を持ち込み、それを経営に活かしていこうとする場合、ただ単に女性を採用するだけではなく、決定権を持つ管理職に登用し、経営に対して発言権を行使させていくことが重要である。
すなわち、女性管理職の存在が重要である。 また、真に社会に影響を与えていくには、一定以上の存在比率(クリティカルマス)が必要である。

IT業界の女性管理職の実態を推測

ここでは、「IT産業における女性管理職は多いのか、少ないのか、他の産業に比べてどうなのか」という点について、考察したい。
私は長年、IT産業に所属してきたが、自分が置かれている状況を数字でとらえることが難しいと感じてきた。 今回は、公表されているいくつかの統計データを並べて、IT産業における管理職に占める女性管理職の比率を推測してみた。 採用した数字は、目的の異なる統計やデータ、あるいは、対象範囲が異なるデータを、あえて、統合せざるをえなかったために、全体としては正確さを欠くことは否めない。 しかし、今まで全くわからなかった、IT産業の女性管理職の実像がわずかながら浮かび上がった。

女性管理職登用状況について、男女別、産業別の統計データを

 女性の置かれている状況、および、登用状況がわからないという点では、IT産業に限ったことではなく、どの産業においてもデータとして把握されていない。 女性全体についての登用状況は公表されている。 しかし、われわれが取り組もうとしている女性技術者の登用状況は不明のままである。 女性技術者というくくり方での統計が難しければ、せめて、産業別での登用状況を把握できないものだろうか。
実情を数字で把握することは、実情を改善していくための行動計画を作るには必須である。 統計データを男女別かつ産業別にきめ細かくとっていくことの重要性を、強調したい。 このためには、各企業の登用状況公表を義務付けるなど、法的措置も検討されるべきではないか。

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